タミヤ
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大日本帝国海軍
戦艦

大和
製作記(艦橋編)
Making of
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Imperial Japanese Navy
Batlle Ship
YAMATO
 
 
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艦橋の製作です、写真はほぼキットパーツの素の状態、ここから切った貼ったの膨大な作業を始めます。


キットは新造時を元に作られているので、今回製作する最終時には撤去されていた 昼間艦橋両脇の小型スポンソン、信号指揮所は削り落とします。小型スポンソンに関しては、 残したまま大型のスポンソンを増設したと言う説もあり、大和ミュージアムの1/10大和では その説に準じて作られています。


赤い矢印の副砲用方位盤が付く所は面取りを行います。


金型の抜きの関係上省略されている正面の窓を0.7oドリルで開口します。


司令塔の正面側のスリットも省略されているので彫刻刀、デザインナイフなどで開口します。


艦橋の遮風装置です、ここは大和の部品の中でも数少ない正規の図面が残されていた部分です。 ほぼ正確な形状、寸法が判ります。


向かって右側がキット状態、この頃のプラモデルとしては かなり良い出来だといえますがやはりだいぶ形状が違います。 問題なのは左のライオンロアのセットの遮風装置、比較用にざっくりと組み立てたんですが、 資料があるにもかかわらず形状が根本的に違います、キットの方がまだマシなくらいです・・・


そんなわけで遮風装置を作り直します、思い切って削り落としちゃいます。


防空指揮所のモールドもまとめて切り落とします、大和の艦橋が塔型構造である事が よく解ります。


エポキシパテをもっさりと盛りつけます、使用したのはウェーブの軽量エポキシパテ、 高密度タイプの方が良かったかも。


ヤスリで大まかな形状を整えます。


彫刻刀なども用いて曲面形状を削り出していきます。


リューター、彫刻刀などを用いて溝を掘っていきます。 割れてきたら低粘度の瞬間接着剤で接着、補強していきます。


0.2oプラ板で中の板を作ります、作業性を優先して大きめの物を差し込んでいきます。 はみ出した部分は接着剤硬化後に切り落として整形します。


下側も同様に工作して遮風装置の完成です。


防空指揮所の床にエッチングパーツを貼り付けます。


支持材を0.2oプラ板で作ります。


エッチングパーツのランナーを切り出して曲げ加工して伝令所を作ります。


伝令所の中はのばしたプラ材などを輪切りにした物を貼ってそれっぽくでっち上げます。


レジンパーツの双眼鏡を取り付けます、ライオンロアのセットでは足りなかったので、 菊と刀のパーツと混載です。


時系列が前後していますが、増設大型スポンソンを作ります。 1oプラ板で床板を切り出します。


エッチングパーツのランナーで壁を作ります。


下部の膨らみをポリパテを盛って作ります。


エポキシパテと0.2oプラ板で遮風装置を作ります。


夜戦艦橋の窓枠を取り付け、以前のパーツセットでは無かった 窓のない部分が追加されていて助かりました。


司令塔の潜望鏡のフタをプラ丸材の輪切りで作ります。


空中線の繰り出し口を0.5o真鍮線で作ります。


キットパーツ、エッチングパーツなどを取り付けていきます。


13o機銃ブルワークのフチを削り込んで薄くします。


信号所甲板の製作に入ります、新造時とは大きく形が変わります。


プラ板で増設部分を作っていきます。


裏側には支持構造を作ります。


エッチングメッシュを貼ってグレーチングを作ります。


二式哨信儀(赤外線式モールス信号送受信装置)をプラ板、プラ材などを使ってそれっぽくでっち上げます。 クリヤーパーツの探照灯は1/700の150p探照灯を使用しました。


プラ板、エッチングの手すりなどで手旗信号台を作ります、コレの位置は諸説あって、 この位置も推定です。


背面のラッタルの組み付け、信号所甲板が変わっている所為もあって、 レイアウトが若干変わるので上から作っていって下側をすり合わせていきます。


信号所甲板後端に延びるラッタルはライオンロアのセットには適した長さの物がなかったので、 ゴールドメダルのセットから選びました。


信号ヤード端の風向風速計、これもゴールドメダルのセットにしか入っていません。


今回、張り線は全て初使用のコレを使いました、大変丈夫で、カッターで切ることがほぼ出来ません。 金属専用のニッパーを使用しました。


試用、練習を含めて信号旗ロープを作ります。リールはプラ材をのばしたものの輪切りです。


ナイロンの釣り糸と違って不本意なたるみが出来にくいのが良いです。


22号電探、ラッパ部分をデザインナイフで彫り込んでいきます。


探照灯管制基、シャッターをエッチングパーツに換えます。


主砲射撃指揮所、測距所のキット状態、21号電探の背が高いのが古い考証のキットであることを彷彿とさせます。


電探を切り落として取り付け部を0.5oプラ板で作ります。


足場は最新考証によって中央部分は無いことが主流なので、それに準じて切り落として、測距儀部分のみ 使用します。


22号電探の組立、14パーツを組み合わせます。


フレームに網を接着します、下がくっつかないようにポリ製の板の上で作業します( 使用したのは100本入り綿棒のケースのフタ)


アンテナ素子を接着してフレームを曲げます。接着はくっついていればいいので、 全面にではなく、数カ所の点で接着するだけで充分です。


測距儀に接着、曲がらないように注意します。


背面、ここもエッチングパーツを用いてディテールアップ、背面補強剤は裏表を間違えないように注意します。


信号ヤードに補強材、E27逆探を取り付けます、補強材は1/700艦船用の 手すりを加工して使用しました。


艦橋完成〜!艤装品では最も手間のかかる部位でした。


組立時の作業環境はこんな感じでした。なるべく目線の高さにして、 姿勢が悪くなるのを防ぎました。姿勢が悪くなると作業性が悪くなり、 ストレスの増大と共に品質にも悪影響してきます。


今回見送ったディテールアップ部分です。主砲射撃指揮所の外壁に補強構造らしき物が見えます。 少なくとも新造時には見られないディテールです。 はじめは水圧で潰されて内部の骨組みが浮き出ているのかとも思いましたが、 それにしては綺麗に浮き出ていますし、そもそもこの部分はさほど水密性の高い部署でもなく、 水圧云々以前に浸水してしまうはずなので水圧で潰されると言うのは不自然です。もう一つ考えられたのが、 2重壁で外板が剥がれただけということですが、向かって右にあるハッチの位置などから考えてもそれも不自然です。 何にせよ、もう少し調べてみる必要がある場所です。


このWebページを作成するに辺り以下の文献などから引用をいたしました。

・戦艦大和図面集
著者:ヤヌス・シコルスキー
訳者:原 勝洋
株式会社 光人社1998年2月19日発行

・DVD 戦艦大和 深海に眠る、栄光と伝説の全て
1999年テレビ朝日 発売元:株式会社バップ



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