タミヤ
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大日本帝国海軍

戦艦武蔵
製作記
Making of
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Imperial Japanese Navy
Batlle Ship
MUSASHI
 
後部艦橋編
 
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後部艦橋基本形です。
今回は色々と手を入れようと資料を眺めていたらいくつか疑問点が出てきました。

左側は武蔵後部艦橋再現図、右側は広島県 呉市の「大和ミュージアム」の1/10大和です。
@機銃射撃指揮装置支柱の形状、取り付け位置。
A後部艦橋基部の形状。
の2点が大きく違います。
はたしてどちらが正解でしょうか?

こういう場合はまず一次資料から当たります。
戦艦大和の艤装中の有名な写真から後部艦橋付近をトリミングしました。
中央構造物台座と後部艦橋基部の境目(矢印部分)に影が落ちていないことから
少なくとも基部は台座より出っ張ってはいないという事が判ります。

こちらは昭和19年(1944年)10月24日シブヤン海にて米海軍機が撮影した大和。
後部艦橋付近をトリミングしました。
後部艦橋基部の形状がはっきりと判る貴重な写真です。
また機銃射撃指揮装置支柱が基部より若干はみ出ているように見えます。
取り付け位置が呉の1/10大和の位置だと通路を塞いでしまうので基部に食い込んでいて、
かつ、少しでも広い視界を確保するためにギリギリ外側に取り付けられていたモノと考えられます。
支柱の形状は写真から他の円筒形構造物と影の出来方が酷似しているという点と
充分な強度を確保するという点から円筒形だったと判断しました。
四角柱より円柱の方が強度は高く、主砲爆風を逃がしやすいという点に置いても円柱の可能性が高いと思います。

こちらはキットのパーツです。先の写真と比較すると
実艦の形状をほぼ正確に再現しているようです。

スッキリしたところで工作に移ります。
基部中央上部にある真水製造機の換気口正面部分は
無いと言うことが判っているのでポリパテで塞ぎます。
副砲射撃指揮所天井の端をヤスリで面取りしていきます。

0.3oプラ板で支塔の補強板を製作します。

副砲射撃指揮所に観測窓を開口し、
伸ばしランナー、プラペーパーでスライド式のシャッターを製作します。

後部艦橋測的所は形状が全く違うのでプラ板、ポリパテで新造します。
にしても、前部艦橋のモノと機能は同じ筈なのにこうも形状が違うのは何ででしょ?

25o3連装機銃ブルワークです。 このキットが発売された当時はシールド無し機銃が乗っているというのが
定説でしたが、最新の調査ではシールド付きの機銃だという事が判っています。

キットのままでもシールド付きが乗らんこた無いんですが、座りが悪いので
ポリパテで埋めて、さらに面取りも行います。

各パーツ、エッチングパーツを取り付けて後部艦橋完成!
機銃ブルワークの支柱は0.5o真鍮線に替えました。


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引用、参考文献
学習研究社 [歴史群像]太平洋戦記シリーズ20大和型戦艦2 1998年11月1日発行
学習研究社 [歴史群像]太平洋戦記シリーズ54戦艦「大和・武蔵」2006年5月10日発行